沖縄の黄金言葉(くがにことば)

沖縄にある“ことわざ“
沖縄では黄金言葉(くがにことば)ともいいますが、有名なものから聞いた事ないものまで色々あります。
ちょっとしたエピソードと共に、紹介していきましょう。

なんくるないさ〜

もしかすると、沖縄のことわざで一番有名なのはこの言葉かもしれません。
意味としては、“なんとかなる“という意味なんですけど、実はこの“なんくるないさ〜“の前の部分には“まくとぅーそーけー“という言葉が入ります。
“まくとぅそーけー“は正しい事・真の事をしておけば という意味です。
なのでこのことわざ正しくは「まくとぅーそーけーなんくるないさ〜」となり、“ちゃんとやってればなんとかなるよ“という意味になります。
最近は“なんくるないさ〜“の部分だけ使われがちで、適当にやっても“なんくるないさ〜“って沖縄の人の適当さを表す表現で使われたりもします。

行き逢えば兄弟(イチャリバチョーデー)

これも割と有名なことわざです。
このことわざも、本来は後ろに“何隔てぃぬあが(ぬーふぃだてぃぬあが)“が入りますが、省略されて“イチャリバチョーデー“の部分だけ使われてます。

意味としては、知らない人でも縁あって親しくなれば兄弟の様に仲良くなる。そこに何の隔てもない。という意味で、最近はもっと簡単に“一度会えば兄弟“ぐらいの感じで好意的に使う事も多いですね。

昔、ビアフェスタに行ったとき、すれ違いざま酔っ払いにビールをかけられた事があって。
“うわー“と思ってたら向こうに「イチャリバチョーデー!」って抱きつかれて済まされた事があります。(おじさん同士のハグ)
思わず笑って許しちゃいましたけど、これは上級者の使い方なので真似しないでね(笑)

慶良間や見ゆしが睫毛見らん(けらまやみゆしがまちげーみーらん)

直訳としては、慶良間は見えるけどまつ毛は見えない。という事で、遠い慶良間は見る事ができるけど、近い自分のまつ毛は見えないという意味になります。
“灯台もと暗し“の沖縄バージョンですね。

灯台といえば、この間久しぶりに残波岬の灯台に行ったら、展望台に上がるのが有料になってました。売れない芸人、灯台に足元を見られてしまいました。

家習る外習(やーなれーるふかなれー)

これも結構聞くことわざですね。
意味としては、家庭での教えや家での習慣は、外に出たときにも表れるよという意味で、家でのだらしなさはどんなに隠しても外で出てしまうから、日頃からきちんとした習慣を身につけなさいよという教えです。

昔、ファミレスで行儀の悪い子供を親が叱ってる時、子供が「やーなれーるふかなれーさ」って親に言ってるのを見たんですけど、なるほど、”親の躾が悪いんだよ“って逆手にとってるのかって変に納得してしまいました。
他人ながら「やなわらばー(悪ガキ)や〜」って思いましたけど(笑)

打たん鐘ぬ鳴ゆみ(うたんかにぬなゆみ)

直訳として、打たない鐘は鳴るか。で、意味としてはそのままですね。
類語で“火のない所に煙は立たぬ“があります。
どちらも意味としては人の評判・噂はその中に少しでも真実が含まれているものである。という意味。

煙と言えば、宜野湾市にある普天間飛行場のとある場所から、定期的に煙が上がるんですよ。
しかも毎回同じ施設。
1回は煙どころか火柱も上がってたんですけど、新聞とかに一切情報が載らないんです。だから何だったのか全く分からないんですけど、あれは何なんでしょうか?(笑)
“基地のない所に煙は立たぬ“ということわざなのかな。

それにどんな教えがあるのかは分かりませんが(笑)

学問知っち、むのー知らん(しみーしっちむぬーしらん)

直訳としては、学問は知って物事は知らない。
学問をして知識は積んでいながらも、ものの道理を知らないという意味。
学問は人間性と比例することはなく、だからといって学問を軽視することも過信することも愚かな事ですよっていう例え。

芸人で言う“ネタは面白いけどクソ野郎“みたいな事かな(笑)
でも芸人の場合はクソ野郎の方がネタ面白い事が多い気がするからなぁ。

うちの事務所のマネージャーで、昔いた国立大学出身者は総じて“学問知っちむのー知らん“状態だったなそういや。
沖縄タイムスのイベントで呼ばれた時の楽屋で、琉球新報読んでたり(笑)
でも、優しくて良い人達でしたよ!

ふぅ(笑)

吼える犬や、人や噛らん(あびゆるいんや、ちゅやくうらん)

直訳としては、吠える犬は人を噛まない。吠える犬は人を噛むことないから、恐れる事はないよ〜という意味。
弱い犬ほどよく吠えると言うやつですね。
反語として「能ある鷹は爪を隠す」ですかね。
ちなみに、僕はよく吠えて噛みつきますけど、深爪なので爪は見えないです(笑)

犬と猫(いんとぅまやー)

直訳すると、犬と猫。これは仲が悪いことを表します。
「あれたちは“いんとぅまやー“だからよ」みたいな。
「水と油」「犬猿の仲」と同じ使い方ですね。

沖縄には野生のサルが居ないから犬と猫で例えられたのかもしれませんが、昔、米軍基地内で野生のサルを見たという目撃情報は聞きました。実際のところはどうなんでしょう。

おわりに

こんな感じで、本土のことわざを沖縄風にアレンジされたものや沖縄独特なものまで色々あります。
他にもまだまだ、沖縄のことわざ(黄金言葉)はあるんですが、興味が沸いたら是非調べてみてくださいな〜!

沖縄の場合、一部の地域、もしくは全県的には通じない言葉とかもあったりするので、もっと調べるとことわざもそういったのが出てくるかもしれません。
何かまた面白いことわざが分かったら追加で加筆しま〜す!

かいたひと
ゴリラ勇介

沖縄で「ゴリラコーポレーション」というコンビで芸人をやっています。
普段は漫才やコント、新聞での執筆活動、ラジオで喋るのも聴くのも好きで、ラジオ沖縄では「people wave α」という番組もやりつつ、タイムテーブルでラジオコンシェルジュを執筆しています。RBCiラジオでも「只今いきものんちゅ」という番組をやっています。

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