チョンダラーの村が存在した!?

“チョンダラー“と言うと、沖縄の人ならすぐにピンとくるかと思いますが、分からない方の為にもう少し説明すると、沖縄の伝統芸能“エイサー“を踊る人達の中でひときわ存在感を放つ白塗りの人です。




隊列を組み大太鼓や締め太鼓を打ち鳴らし勇壮な演舞を披露するエイサー隊。その中にひとり、あるいは2〜3人程、このように顔を白塗りにし滑稽なメイクを施しふらふらと隊列の隙間を練り歩く人物。
それがチョンダラーです!!

え?そもそもエイサー自体見たことがないからチョンダラーってわからない?

そんな方は、沖縄のピエロだと思ってくれれば大丈夫です(笑)

エイサーにおけるチョンダラーの役割は、観客を盛り上げたり主に見てる人とのコミュニケーションをとる役目だと思われがちですが、実は隊列を整えたり細かく指示を伝えたりと結構重要な役割があったりします。
なのでチョンダラーをやる人は、その団体の中で最も経験を積んだ人がやったりするまさに沖縄のピエロ!!(団体によって多少の違い、そもそもチョンダラーが居ない団体もありますが)

そんなチョンダラーの村が沖縄には存在したと言われているんです。

・・・なんだか面白そうな村!!

実在したチョンダラーの村


チョンダラーの村は首里の北東部にあったと言われています。
現在でいうと首里の久場川あたりにチョンダラーの村が存在したと言われてて、現在は“行脚村跡(アンニャムラアト)“という石碑が建ってます。

行脚村跡(アンニャムラアト) - Google 検索



時を遡って、まだ沖縄が琉球王国と呼ばれてた時代。
この辺りには、ニンブチャーやチョンダラーと呼ばれる人たちが集まって村を形成していたと言います。

明治頃には衰退してチョンダラーやニンブチャーと呼ばれる人はほとんど居なかったと言われてますが、第2次世界大戦(沖縄戦)の前までは、少数ながらもチョンダラーの末裔がこの辺りで生活をしていたという記録が残っています。
しかし戦争後は行方が分からなくなってしまったという。

そもそもチョンダラーって?

チョンダラーと言うと、エイサーのあのチョンダラーという認識の人が多いと思いますが、そもそもチョンダラーって一体何者なのか?

実はチョンダラーの祖先は、本土から渡来した旅芸人だったと言われています。

ただ、琉球王国時代の偉い人が書物に

ニンブチャー・チョンダラーについては、本土から来たと言われているが、いつ頃来たのかその歴史は私にもわかりません。

という事を書き残しており、未だにチョンダラーの歴史は謎な部分が多いです。

その生活はというと、沖縄の各地をまわりながら、万歳やおめでたい芸を披露して金銭や物をもらったり、門付芸で生計をたてていたと言われています。
それが、次第に芸の中に仏教の文句を取り入れるようになっていくと、葬式に呼ばれ僧侶の代わりに念仏を唱える者もいたそうです。
その場合はニンブチャー(念仏者)として呼ばれます。
祝いの席から葬式まで、まさに冠婚葬祭ですね(笑)

ただ、諸説ありますが色んな理由でチョンダラー・ニンブチャーは首里の人からは侮蔑的な扱いを受けてたと言われています。その一方、地方ではチョンダラーを呼ぶと3年厄災から身を守ると信じられてたと言います。
そんなチョンダラーは琉球、沖縄の芸能、特にエイサーに大きく貢献したと言われてます。
今でも首里の人の中には“首里の人はエイサー踊らない“って言う人がいますが、もしかしたらこの辺の事が関わってるのかもしれないですね。

チョンダラーとエイサー


そんなチョンダラーがなぜエイサーの中に混ざるようになったんでしょうか。
チョンダラーがエイサーに大きく貢献したって話は聞いた事があって、例えばチョンダラー(ニンブチャー)が唄った念仏歌がエイサーの元になってるんじゃないか?的な。(諸説ありますが)
ただそのあたりに関して僕は詳しい事がわからないのでなんとも言えませんが、それでもエイサーの中にチョンダラーが混ざったのはここ3〜40年の事じゃないかって言われてます。これも諸説ありますが(笑)

エイサー自体が先祖供養の“盆踊り“と言われているので、その中に念仏者でもありエイサーに貢献したんではないかと言われるチョンダラーが居てもまぁそんなに筋としては違ってないのかなと個人的に思いますけど。
ただやっぱ謎が多い(笑)

謎と言えば、あの白塗りのメイクも何故あんな感じなんだって思いますけどね。

あれに関しては個人的な考察ですが、チョンダラーは元々本土の方から渡来した旅芸人だったって事は、琉球の人より色が白かったんじゃないかな〜と思うんですよ。
その白さが、琉球の人にはもの凄く白く感じたから、その白さを表現する為にだいぶ誇張して白塗りにしてるんじゃない!?・・・なんて思ったり。
ただ、ここ3〜40年前からエイサーの中にチョンダラーが混ざったって事を考えると、元々のチョンダラーがモデルとは考えにくいなぁ。
て事は、泡瀬や宜野座に伝わる京太郎(チョンダラー)の姿からインスパイアされたのか。

泡瀬や宜野座の京太郎という芸能は、チョンダラーの所業を首里の芝居小屋で芸能として演じられていたものが伝わったモノと言われてるので、エイサーのチョンダラーとはまた様子が違うんですけどね。

おわり

ん〜なんだか最後は「分からない」と「諸説あり」ばっかりでよく分からなくなっちゃったけど、とりあえず一言でいうと「謎」って事ですね(笑)

でもチョンダラーの背景が少しだけわかった気がします。
やっぱりエイサーにいるチョンダラーは、オキナワンピエロって事ですね(笑)
もしかしたらあの白塗りは、辛い過去や悲しい経験が顔に滲みでないように、白塗りで隠してるのかもしれません。
そう考えると、少しだけ切なく・・・・いやならんわ!なんかこの締め!!!!

おわり!!





かいたひと
ゴリラ勇介

沖縄で「ゴリラコーポレーション」というコンビで芸人をやっています。
普段は漫才やコント、新聞での執筆活動、ラジオで喋るのも聴くのも好きで、ラジオ沖縄では「people wave α」という番組もやりつつ、タイムテーブルでラジオコンシェルジュを執筆しています。RBCiラジオでも「只今いきものんちゅ」という番組をやっています。

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