轟の滝

沖縄本島北部、名護市数久田にある轟の滝。
10年ぐらい前にいちど来た記憶はあるんですが、あんまり覚えてなかったので、仕事で名護に来たついでに足を運んでみました!

そしたら、周辺が整備されてて以前来た時と比べ物にならないぐらいキレイになってて驚きました。

県の名勝 轟の滝

轟の滝は、久志岳(約335m)と辺野古岳(332m)を源とする約4キロの川の流れの中流にあります。
約28メートルの高さの火成岩の間から落下してくる水飛沫は圧巻です。

僕の技術の無さで、写真だとイマイチ迫力が伝わりにくいんですが、迫力とマイナスイオンが伝わるといいな(笑)


この轟の滝、2017年度に周辺整備を実施してキレイな観光地として生まれ変わりました。

滝を見るには入場料がかかりますが、一般・大学生200円。小中高、シニア(70才以上)が100円とお安くなっております。

で、敷地内に入ると大袈裟じゃなくて、ほんとにゴミがひとつも落ちてなくてキレイでした。
受付のおばちゃん曰く、「私がゴミというゴミを拾ってるから!私がいるからキレイなんだよ!」って言ってました。


中は広々とした芝生の広場があって、奥に滝へと続く道があります。

こんな感じで、滝の近くまで遊歩道が整備されており車椅子の方でも滝の近くまで行くことができます。
でも最後の最後で階段になってました。

一時期は上流域での取水や山地の開発によって水量が大きく減り、日照りが続くと滝が枯れる事もあったそうです。
そんな事から、名護の人からは“轟の滝“ではなく“驚きの滝“って揶揄される事もあったそうです。(僕の事務所に所属する名護出身の芸人が言うには)

しかーし!受付のおばちゃん曰く、現在はダムのお陰で水量を調整する事ができるので、枯れる事はなくいつ来ても滝を満喫する事ができるとの事です。

因みに、現在轟の滝は地元(数久田)で管理してるらしく、受付のおばちゃんも地元数久田出身らしい。
そんなおばちゃんに「ここって昔は驚きの滝って言われてたんですかー?」って聞いたら、めっちゃウケてました(笑)

「だからさー!私もお客さんに言われて初めて知ったさー!」って言ってたので、地元の数久田では言われてなくて、他の地域の人達が勝手にそう呼んでたのかな?


しかし琉球王国時代から風光明媚な轟の滝をたたえ、和歌や琉歌が詠まれた場所でもありますし、現在でも県の名勝として親しまれています。

数久田集落

轟の滝がある数久田集落。

案内板によると、数久田集落は、名護(ナン)城から移り住んだ人たちによって始まったと伝えられています。
17世紀中頃の村々の石高を記した「琉球国高究帳(リュウキュウコクタカキワメチョウ)」と言う資料に「すくた村」とあり、その頃には既に集落が営まれていたそうです。

数久田は「シッタ」と呼ばれ、その名前は湿地帯に由来するとも思われていますが、その名の通り水に恵まれ稲作が盛んな村だったそうです。

昔の使用していた、轟の滝付近を水源とする簡易水道も残ってました。

轟の滝で見つけた珍しい自動販売機

敷地内をひと通りまわって、滝を楽しんで帰ろうとしたら、入る時には気付かなかった珍しい自動販売機に目がいきました。


“国王の琉歌を掛け軸に“
何これ!(笑)

いくつか売り切れてる掛け軸はあったんだけど、かなりの種類があるのでじっくり吟味する事に。

せっかくなんで、轟の滝をたたえた琉歌が欲しかったんですけど、見当たらなかったので僕が個人的に好きな、琉球王国第二尚氏王統 第17代“尚コウ王“(変換で漢字がでなかった・・)の琉歌を買いました。

思ったより小さかったです(笑)

中に小さな掛け軸が入っててこう書いてました。

上下やちみてぃ  中に蔵立てぃてぃ  奪い取る浮世  治みぐりしゃ
(かみしむやちみてぃ なかにくらたてぃてぃ うばいとぅるうちゆ うさみぐりしゃ)  



意味が書かれた紙も一緒に入っていました。
その紙には

“王家と庶民は質素倹約して切り詰めた生活をしているが、世の中に立つ政治家どもは私腹を肥やし、蔵を立てるように豪華な生活をして、甘い汁を奪い合っている。
こういう世の中は治め難いものだ。
国家は多事多難、人民は重税に苦しんでいるのに嘆かわしい“

と、書いていました。

これが時の王が詠んだというなら、相当大変な時代だったんだなぁ。
嘆かわしい!!
でも今の時代も似た様な事があるし、いつの時代もあまり変わらないんですね〜。


琉歌に詳しくないので、今度勉強してみよっと。

おわりに

今は周辺が整備されて「轟の滝公園」になってるのかな?
キレイだしゆっくり癒されるにはもってこいの場所です。

かいたひと
ゴリラ勇介

沖縄で「ゴリラコーポレーション」というコンビで芸人をやっています。
普段は漫才やコント、新聞での執筆活動、ラジオで喋るのも聴くのも好きで、ラジオ沖縄では「people wave α」という番組もやりつつ、タイムテーブルでラジオコンシェルジュを執筆しています。RBCiラジオでも「只今いきものんちゅ」という番組をやっています。

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