沖縄にある「龍宮神」
沖縄ではこんな感じで「龍宮神」と刻まれた碑を県内の至る所で見ることができます。
最初は“龍宮=浦島太郎“と本気で思ってたんですが、調べて見ると浦島太郎に出てくる龍宮城とはちょっと違いましたね(笑)
この龍宮神は簡単に言うと“海の神様に御願する場所“でした。
何で海の神様が“龍宮神“なのかについては、昔の沖縄(琉球)では海が荒れるのは龍が暴れる事が原因と信じられていた事に関係しているかもしれませんね。
琉球時代の貿易船とかには航海の安全を願って、龍が苦手なムカデを模した旗を飾ったりもしていたそうです。
龍宮神を探してみる
中城湾に面した勝連半島から中城までの海沿いをザーッと簡単に調べたんですが、勝連の南原漁港(写真)、沖縄市の泡瀬漁港、中城の浜漁港、北中城の熱田漁港と全ての漁港内で龍宮神の祠を確認する事ができました。
あくまでも僕が調べた狭い範囲ではありますが、漁港内に龍宮神の祠があるって事は、龍宮神が海の神様に御願する場所っていうのはほぼほぼ間違いないんじゃないかと思います。
ただ、漁港じゃない場所でもいくつか龍宮神を確認する事ができました。
漁港じゃない所にある龍宮神
あくまでも、僕が確認した狭い範囲の中(勝連から中城までの中城湾に面した場所)ではあるんですが、泡瀬干潟沿いに建つ龍宮神、中城の泊にある龍宮神、中城の北浜にある龍宮神、そして中城の伊集と4箇所の龍宮神を確認できました。
泡瀬、泊、北浜に関しては海岸ではあるんですが、特に漁港でもなければ、周りに舟らしきものも全く見当たりませんでした。
伊集に関しては海側でもなく内陸側にありました。
ただ、何でこんな所にあるんだ!?
みたいな龍宮神でも、“そこにある理由“がきちんとありました。
とりあえず1箇所ずつ説明していきましょう。
泡瀬干潟の龍宮神
ここ泡瀬干潟の龍宮神、泡瀬干潟の海は昔、遠浅の海を利用した漁が盛んな場所だったようです。
以前にブログで紹介したんですが、魚垣(カチ)という海に岩を並べて魚を取る漁法で泡瀬の人は半農半漁の生活で生計を立てていたと。
舟を出す訳ではないけど、この海で漁をするという事で、海の神様に感謝する為に龍宮神の祠を設けたって所でしょうか。
泡瀬干潟の龍宮神は、炭焼き長者伝説に似た伝説が残る龍宮神でもあります。
泊の龍宮神
続いては泊の龍宮神。
調べてみると、ここには昔、港があって色んな所と貿易していたんじゃないかって言い伝えがありました。
これは割と有名だったんですが、まず地名の「泊」には、「湊、港」といった意味があるらしく、中城グスクを治めていた有力者がここの港を使って貿易をしていたのではないかっていうね。
その港があった場所だから、地名が「泊」になり、そして今は何もないけど、昔は港があった事を裏付ける様に佇む龍宮神の祠。
みたいなね。
中城の海は遠浅の場所が多いんですけど、ここ泊の海を航空写真で見ると、この辺りだけ海岸近くまで深くなってるんで、大きめの船も近づけた可能性はあるなぁなんて思ったり。
ちょっと分かりにくいですが、干潮でも海が干上がらないんです。
龍宮神は手前側にあります。
昔は干潟の岩の上に龍宮神の祠があったようですが。
北浜の龍宮神
続いては北浜にある龍宮神。
ここは色んな本とかを調べたんですが、なぜここに龍宮神があるのかを調べきれませんでした。
なのでしばらくほっといたんですけど(笑)
そしたらひょんな事から解決しました。
うちの中城出身の親父(70歳手前)が言うには、「ここ北浜は昔漁港で、今の浜漁港よりも沢山の舟が泊まってたんだよ」との事です。
詳しく話を聞くと、北浜の海にはたくさんの舟が泊まってて、ここからたくさんの人が舟を出していたとの事です。
まぁ今で言う“整備された漁港“とは違って、砂浜から小さい舟を出す漁港?漁村?的な場所で、ここからたくさんの舟が漁に出ていたんだろうなぁと想像しちゃいますね。
たくさんの舟があった場所なら、龍宮神があっても何ら不思議ではありませんね。
じゃ、解決(笑)
伊集の龍宮神
最後は問題児、内陸にある伊集の龍宮神(笑)
でもここも割と簡単に解決しました。
ここは地元では“フナングヮ(フナグラノ殿)“と言われている場所で、この辺り一帯に船倉があってかつては海岸線で船着場があった場所だそうです。
という事で解決です(笑)
まとめ
僕が調べた狭い範囲だけでも8箇所の龍宮神を確認できました。
漁港や漁港じゃない場所、色んな所にありましたが、海の神様に御願する祠というだけあって「何でこんな場所に!?」って思うような場所にあっても、全てそこに建ってる“海に関する理由“も確認できました。
もちろん、昔話の真意については“絶対そう“って保証する訳では無く、あくまでも僕が調べた範囲ではって事ですが。
まだまだ県内にはたくさんの龍宮神の祠があります。
今でこそ「何でこんな所に!?」って龍宮神もあるかもしれないですけど、調べるときちんとそこにある理由が見つかるんじゃないでしょうか。