沖縄は日本で唯一の亜熱帯気候、本土では見慣れない植物もたくさんあります。
綺麗な花を咲かす植物や美味しそうな実をつける木など。
でもちょっと待って下さい!
実はその植物・・・毒があるかもしれません!!
沖縄で良く見かける、実は毒のある植物
ソテツ
沖縄のアチコチで観られるソテツ、元々は中国南部が原産地です。
一般的に海岸や石灰岩地帯に多く自生し、成長すると2mほどの高さになります。
沖縄では昔、飢饉に備える為の救荒作物として植樹されました。
1660年代の凶荒時や1720年代の北部方面で起きた飢饉の際にはソテツを支給し種を分配したそうです。
実(種)は熟すと赤くなり、この実と茎に含まれるデンプンが食用になるのですが、よく洗い、日に干してアクを抜かないと中毒を起こしてしまいます。
この食糧難の際、アク抜きを待てずに食べてしまった多くの人がソテツ中毒になり命を落としてしまったそうで、地元では「ソテツ地獄」と言って恐れたそうです。
ミフクラギ(オキナワキョチクトウ)
この様に、普通に街路樹としても植えられているミフクラギ。
もちろん公園なんかでも見かけたりします。
樹液が目に入ると腫れる事から「ミ(目)フクラ(腫れる)ギ(木)」でミフクラギがそのまま和名としてついてます。時期になると赤く熟した、一見するとマンゴーの様な実をつけます。
種子は猛毒で、昔はそれを砕いて小麦粉と練り合わせ毒だんごを作り、ネズミの駆除に使ってたりしてました。
公園などでも見かけるので、子供が間違って食べないように気をつけて下さい!
クワズイモ
和名のクワズイモは「食わず芋」で、サトイモによく似ているけど食べられない事でこの名前がつきました。
大きいものでは2m近くにもなります。
樹液が皮膚につくと痒くなりますが、昔はこのハート型の大きな葉っぱを傘や帽子がわりに使いました。
センダン
夏のクマゼミの早朝大合唱の木です。
果実はヒヨドリなど鳥類の好物だが、有毒のサポニンを含み人が食べると嘔吐・下痢・胃炎・激しい腹痛・呼吸停止などの症状が表れます。
子供で果実7個前後、犬で5個ほどで中毒を起こすと言われてて、通常致死量を食べた場合は48時間以内で死に至るそうです。
ただ、この果実は漢方としても使われるようで、その場合はあかぎれやしもやけなどに効果があるそうで、まさに“毒にも薬にもなる禁断の果実“といったところでしょうか。
沖縄では昔、女の子が産まれると庭にセンダンの木を植え、お嫁に行く時そのセンダンの木でタンスをこしらえ花嫁道具として持たせてたそうです。
ギンネム(ニブイギ)
これはもうほんとによく見かけます。少し手入れがされてないかなって所で必ずと言っていいほど生えています。
方言名ではニブイギ。この木は夜になると葉を畳んで眠る事から「ニブイ(眠る)ギ(木)」と名付けられた様です。
沖縄では戦後焦土と化した土地に米軍が生命力の強いギンネムの種を飛行機で散布したという話が残っています。
茎や葉にミモシンという毒素があり、家畜に多く与えると毛が抜けます。
人にも同様で、小笠原諸島に取り残された兵隊がギンネムの種子を食べ、全員残らず丸ハゲになったって逸話があるそうです。
今までの植物に比べるとすごくほっこりする話ですが(笑)
番外編
テッポウユリ
白い綺麗な花が咲きます。
沖縄では伊江島のゆり祭りが有名で毎年たくさんの人がリリーフィールド公園に咲きほこるユリを見に島を訪れます。
このテッポウユリ、人体に毒というより、猫に対してかなりの毒性があります。
下手すると葉っぱ1〜2枚で致死量になるし、ユリを生けてた花瓶の水でさえ危険だったりします。
そのほとんどが中〜重度の腎臓機能障害を起こすと言われています。
なので猫を飼ってる家ではユリを飾るのは気をつけて下さい!
アコウ
台風で潮を被ると全て落葉し、薄い赤茶の皮を剥ぎ新芽を出す変わった性質を持つ木です。
実はピンク色をした※無花果で、枝や幹につきます。
熟した実を食べた鳥のフンに混ざって、種子が他の木の上に落ちると、そこで芽を出し成長します。
成長した木はやがて根付いた木に根で絡みつき枯らしてしまう事があります。
この様な性質から締め殺しの木というあだ名がついています。
※無花果・・・丸い実の様なものの中に花を咲かせ、それが実になるもの。
まとめ
ここで紹介した植物はほんの一部で、よく見かけるけど実は毒がある植物っていうのは沖縄にまだまだたくさんあります。
食べると危ないものから樹液が付いただけで被れるものまで。
なんとなくここで見て、「あ、この植物って毒があるって言ってたはず・・」なんて事を思い出してくれれば、植物観察がより安全に楽しくなると思います。
沖縄には面白い植物がたくさんあるので、沖縄に来た際は観光地と一緒にその地にある植物も観察してみて下さいね〜!!