ガイドをしていると、お客さんに良く聞かれる質問が「あの植物は何て名前ですか?」です。
他のガイド経験者に聴いても、この質問は結構されるって言うし、観光地だけじゃなくバスで移動中に窓から見える植物も聞かれたりします。
そんな時、パッと答えられて、尚且つプラスアルファの情報を伝えられたりするとカッコイイですよね!
沖縄は日本で唯一の亜熱帯気候で、本土とは違った植物が多く、住んでると当たり前すぎて気づけなかったんですけど、どれも興味を惹く植物ばかりだったんです。
なので今回は、そんな沖縄の植物たちを紹介していきたいと思います!
沖縄の植物 街路樹として見かける木 編
まず、沖縄の県木ってご存知ですか?
これは知ってる人も多いかと思いますがまずはこちらから
リュウキュウマツ
リュウキュウマツは県木だけあって、県内の公園、施設、街路樹として色んな所で見ることができます。
久米島には樹齢250年余りの「五枝の松(ごえのまつ)」があって、この五枝の松は琉歌で天下随一と称されるほど立派な松です。
僕の地元、宜野湾市にはまつぼっくり公園という僕が先輩に呼び出されてトイレに連れて行かれた、ほろ苦い思い出の詰まった公園もあります(笑)
ガジュマル
これも沖縄の学校に必ずと言っていいほど植えられてる木で良く見かけますし、メジャーすぎてガジュマルが県木と思ってる人もいるぐらいです。
この垂れ下がってるヒゲが伸びて地面につくと、そこからまた根を張り幹になっていく様子から「移動する木」と言われることも。
でもガジュマルでいちばん有名な話といったら、大きなガジュマルにはキジムナーが住んでいる。
キジムナーというのは、赤い髪をしたイタズラと魚の目ん玉が好きな妖怪で、子供にしか見えないと言われています。年配の方に聞くとたまに、昔キジムナーを見た事あるよ〜とか、一緒に遊んだ事あるよ〜なんて話をする人もいますが、最近では全く聞かなくなりましたね〜。
沖縄本島北部 大宜味ではキジムナーの事をぶながやと言ったりします。
デイゴ
デイゴも公園や街路樹として良く見かけることができます。
深紅の花は、沖縄の県花として有名です。
デイゴの木は根が力持ちで、大きくなると硬いコンクリートやアスフォルトもメリメリと持ち上げて破壊します。
その根には、根粒菌という空気中の窒素を栄養素に変えて木を大きくする菌を共生させているので、比較的痩せた土地でも育ちやすい特徴があります。
琉球漆器の材料にもなります。
子供の頃、公園にあったデイゴにいつもアブラゼミが止まってた記憶があるな〜。
フクギ
フクギも県内色んな場所で見ることができます。
最強の防風林・防火林として家の屋敷垣として好んで植えられたり、街路樹としても良く見かけます。
5月〜6月頃に直径1.5センチぐらいの黄色みがかった白い花を咲かせ、8月〜10月頃に実が熟し、それがオオコウモリなどのエサになるので、よくコウモリが飛んできます。
僕もオバーの家にあるフクギに飛んでくるコウモリを見るって夜更かしした記憶があります。
樹皮は織物を黄色に染める染料になります。
本島北部、今帰仁の備瀬のフクギ並木が有名です。
リュウキュウコクタン(クルチ)
方言名で「クルチ」。
リュウキュウコクタンも庭木や街路樹としてよく見かけることができます。
葉っぱは濃い緑色で、幹は黒っぽい色をしています。
樹皮が黒く材質が緻密なため、昔からサンシンの棹の材料として使われていますが、高級品です。
街中にあるリュウキュウコクタンは比較的細くてヒョロヒョロしてる木が多いんですが、山に生えてるリュウキュウコクタンは見間違えるほど大きいです。
写真のやつも大きくていっかい見逃しました(笑)
カンヒザクラ(ヒカンザクラ)
まったく花がついてなくてスイマセン(笑)
本土のソメイヨシノとは違って、花は鮮やかなピンク色です。
日本一早い桜として1月頃から咲き始めますが、カンヒザクラの桜前線は「南から北」ではなく、「北から南」に南下していきます。
これは、一定期間冷え込まないと花を作る芽が活動しない特徴があるので、先に冷え込む北部から開花していくためです。
ちなみに、カンヒザクラ、ヒカンザクラ、どちらも間違いではないんですが、「ヒカンザクラ」と言うと「彼岸桜」と聞き間違える事があるので、沖縄の放送局では「カンヒザクラ」で統一しようって事になったとテレビ局に勤める友人から聞きました。
アカギ
アカギも公園や学校、街路樹などに好んで植えられてる木ですので良く見ることができます。
大きいものでは高さが10mを超える事も。
柔らかい褐色の樹皮を剥ぐと赤い色が出てくることから「アカギ」と名付けられたそうです。
世界最大の蛾、ヨナグニサンの食草です。
ちなみに、中城の国道329号線の街路樹が「アカギ」と「クルチ」が交互に並んでて、通る度にいつもひとりで「あか、クロ、あか、クロ」って心の中で言う遊びをしてます(笑)
コバテイシ(別名モモタマナ)
別名モモタマナ。方言名は「くわでぃーさ」。
僕はこの木、モモタマナって名前の方が馴染みがあるんですが、これも公園や学校とかでよく見かけます。高さが25mにもなる高木で、葉っぱも大きくて30センチくらいになります。
夏場はその大きな葉っぱを沢山つけて日陰を作ります。そしてこのコバテイシは鎮魂の想いが込められて植えられる事もあります。
ホルトノキ
これも公園や街路樹などで良く見かけます。
名前だけ聞くと、全然ピンとこない人が多いと思いますが、実物を見ると「あぁ〜!これか!」ってなる人も多い木。それが「ホルトノキ!!」
葉っぱが鮮やかな緑色で、古い下葉が絶えず赤くなってついているので見分けやすい木です。
夏には木の幹に沢山のクマゼミが止まって子供たちに大人気!
家の近くにこの木があると、夏場はクマゼミの煩すぎる鳴き声で目を覚ますこともしばしば(笑)
イスノキ
これも街路樹としてよく見かける木です。
台風に強く材質も硬いので、防風林に適しています。
本島北部では密に植えてみかん畑の生垣にしたりしてます。
宜野湾市の普天間に「イスノキ通り」という通りがあって、国道からイスノキ通りに入ってパイプライン向けにずーっとまっすぐいくと、突然信じられないぐらいの急カーブになります(笑)
最後に
以上が、比較的公園や街路樹として良く見かける沖縄の木です。
地域によって、または市町村によって街路樹にしてる木が違ったりもするんで、人によっては「この木よりこの木の方がよく見かけるよ!」なんて思うかもしれないです。
でもそれぐらい、紹介したい木がまだまだ沢山あるんで、それはまた随時紹介していきたいと思います!
最後まで見てくれてありがとうございました!!