沖縄のおまじない

沖縄は昔から、神様は「ニライカナイ」にいて御嶽と呼ばれる聖域に降りてきて人々の願いに耳を傾けてくれると信じられていました。
また、疫病などの悪いもの、いわゆる「ヤナムン」や「マジムン」なんかもまた、ニライカナイからやってくると信じられていました。その度に御願をしてヤナムンをニライカナイに返したり。
今でも「医者半分ユタ半分」という言葉があって、調子が悪くて医者に行ってもなかなか良くならない時は、ユタと呼ばれる神様のお告げを聞く事ができる人の所に行って、話を聞いたりします。
そうなんです。沖縄の人は結構信心深いんです。
今回はそんな信心深い沖縄に昔から伝わる「おまじない」を紹介したいと思います。

マブヤーを落とした時のおまじない

これは結構有名なおまじないで、沖縄で人体には7つの魂が宿っていると信じられています。
この魂はびっくりした時などに身体から抜け落ちると言われてて、これがいわゆる「マブヤーを落とす」という状態です。
で、マブヤーを落としてしまった人は「気が抜けた」状態になってしますので、その時にマブヤー マブヤー ウーティクーヨー(魂よ追いかけてきなさい)って唱えながらマブイを拾います。
ただし、マブイを落として時間が経ってどこでマブヤー落としたか分からない場合は、マブヤー マブヤー ウーティクーヨー ウーナークワッティ ウーティクーヨー(魂よ美味しそうなご飯あるから追いかけておいで〜)と、食べ物で釣れば大丈夫だそうです(笑)
なんでもマブヤーはお腹を空かしてるらしく、落ちて時間が経つと悪いものを食べて悪いマブヤーになってしまうと言われているので、悪いマブヤーになる前に、皆さんも食べ物で釣ってみてください!

くしゃみをした時のおまじない

昔の沖縄の人は、くしゃみをすると魂が飛び出すと信じられていました。
これは、くしゃみというのはヤナムン(悪いもの)がわざとさせて、その時飛び出してきた魂を食べると信じられていたからなんです。
なので誰かがくしゃみをすると「クスケェ!」って言うと大丈夫と信じられていました。
この「クスケェ」、和訳するとクソ喰え。つまり、魂じゃなくてクソを喰え!って事なんです。
クソを喰わされたヤナムンもたまったもんじゃないですね(笑)

赤ちゃんにやるおまじない

赤ちゃんはマジムン(妖怪)が見えると言われてて、怖いもの知らずでマジムンだろうが何だろうがキョロキョロ見てしまい、そこでマジムンに悪さをされてしまう。
特に外出する際外にはマジムンがいるので、そんな時このおまじないを使います。
アンマークートゥー アンマークートゥー ドゥインジュンドー(お母さんの事だけ見てね〜)
と言いながら指に唾をつけて赤ちゃんの額をトントンって軽くたたきます。
これは、他は見ないでお母さんだけを見るんだよ〜て意味の他に、マジムンに対しても「この子は私が世話してるから見ないでね〜」って意味もあるそうです。

寝てる子を動かす時のおまじない

こんな時にまでおまじない!?って思うかもしれないですが、あるんです(笑)
寝てる人を引っ張って移動させる時、遺体の搬送を連想させて不吉だと。
そして寝てる人をいきなり移動させるとビックリしてマブヤーを落とすかもしれないし。
ということで、寝てる人を移動する際はムシルビーチー ムシルビーチー(ムシロを引っ張ってるんですよ)って唱えながら移動させるらしいです。
これは暑い沖縄、ムシロで寝てたところから生まれたおまじないなんだって〜。

悪い言葉を使ってしまった時のおまじない

言葉には「言霊」といって力が宿ると言われています。
冗談でも、人を不幸にするような悪い言葉を言ってしまった時、そんな時はすかさずマースクェーブラ(塩を喰らえ)と唱えましょう。
塩の力でお清めしてくれるそうです。
今の時代、SNSではマースクェーブラが必要な気がする(笑)
♯マースクェーブラ みたいな(笑)

悪い夢を見た時のおまじない

悪い夢を見て、夜中にバッて飛び起きた経験ないですか?
僕は一度だけ、物凄く恐ろしい夢を見て汗ダクで飛び起きた経験があります。妙に気になってふと見た時計の針は4時45分を指してました。
いや惜しいな!!って突っ込んだせいでどんな夢だったのか一才忘れてしまったんですが(笑)
なので、怖い夢を見た時は突っ込む。ではありません!!
まず枕を裏返してポンポンって叩いてとりあえず寝ましょう。
そして朝起きたら、窓を開けてイミヌフリムン イミヌフリムン(夢のバカ 夢のバカ)と唱えましょう。

不吉な前兆があった時のおまじない

沖縄ではスーサー(ヒヨドリ)やビーチャー(ジャコウネズミ)は不幸を媒介すると言われてて、スーサーが家の中に入ればあの世からの知らせ。ビーチャーが天井で騒げば土地が荒れてる(不吉なものが入ってきてる)と言われ、特に夕方にこれが起こると不吉とされています。
そんな時、厄除けにヤナクトゥー ヤーウェドゥー(悪いことはお前の上だ)と唱えれば大丈夫!

ハブよけのおまじない

ハブにあったらジュホー ジュホー ジュホーと3回唱えると、ハブが近付けないという、ある女性がハブに教えられたとされるおまじないです。
山火事にまきこまれたハブの命をその女性が救い、その恩返しとして教えてもらったそうな。
でも最近ハブ自体全然見なくなったなぁ。

新しい洋服を着る時のおまじない

洋服を着る前にチンヤヨーカー ドゥヤチューバー(洋服は弱いけど体は強いよ)って言いながら、洋服の端を引っ張り柱に擦りつけるそうです。
そうすることで、ヤナムンが命を狙ってきた際、もし体を守るための洋服が破れてしまっても、体は強いから大丈夫!またはそんな体にしておくれって願いを込めてやったそうな。
ドラゴンボールとかではよく破れた洋服の下から強うそうな体が出てきますけど、あれはチンヤヨーカー ドゥーヤチューバーのおまじないをやってるかもしれませんね。

雷が鳴った時のおまじない

雷がなるとクヮーギヌシチャー(桑の木の下)と唱えると雷がおさまると言われてます。
これは、その昔わるさばかりしていた雷神様が、クワの木の股に挟まり命を落としてしまったと。
それ以来雷神様の仲間内で恐れられたクワの木。なので、桑の木の下だよ!って言うと雷がおさまるって言われてます。
クワの木の写真も載っけておきますが、実際に雷がなってる時にクワの木の下に行くと危ない様な気もしますが・・。

火事の時に鎮めるおまじない

火柱を立てて荒ぶる火の神。そんな火の神様を鎮めるにはホーハイと唱えると延焼を防げると言われています。
ホーは女性器、ハイは露わにする。なのでホーハイという言葉は「女性器を露わにする」と言う意味になります。
ヒヌカンを祀る女性は火を扱う達人、そして女性機には古来より魔除けの力があると伝えられています。なので、荒ぶる火の神様を鎮めるには火の達人の大事な部分を露わにするしかない!!ってなったそうです。
でも沖縄のお墓「亀甲墓」も女性の子宮の型なので、女性には力があるんでしょうね〜

犬に噛まれそうになった時のおまじない

ウェーカーって言うといいそうです。これは親戚って意味のうちなーぐちなんですけど、噛みつこうとする犬に対して「早まるな!俺たち親戚じゃないか!」って気持ちを込めてウェーカー!と唱えてみてください。

本当かな(笑)

番外編 オーナチマヤー

これはおまじないではなく、奇妙な鳴き声をするネコのことで、不吉なことが起こる前兆とされて忌み嫌われています。
さかりのついた鳴き声とも違うらしく、ネコがこのオーナチする場合はマジムン系がウヨウヨしていると言われ、地域によっては犬がオーナチする場合もあって、その時は死神系と言われている地域もあるそうです。
なので動物がオーナチしてる場合は夜出歩かない方がいいかもしれません。

まとめ

どうですか?信心深い沖縄には昔から色んなおまじないが伝わってきてたんですね。
地域によっても少し変わってたり、全く新しいおまじないがあったりしそうですが、調べてまた新しいおまじないがわかったら紹介します!

余談ですが、先日妻の夢にハブが出てきたらしく、その話をオバーにしたら「年女だろ?神様が何か伝えたいんだはずよ」って言われ、まさに年女だったのでドキッとしてました。
それからオバーが知り合いのユタに話を聞きにいくと言ってたので、まさに医者半分ユタ半分な出来事でした。

かいたひと
ゴリラ勇介

沖縄で「ゴリラコーポレーション」というコンビで芸人をやっています。
普段は漫才やコント、新聞での執筆活動、ラジオで喋るのも聴くのも好きで、ラジオ沖縄では「people wave α」という番組もやりつつ、タイムテーブルでラジオコンシェルジュを執筆しています。RBCiラジオでも「只今いきものんちゅ」という番組をやっています。

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